さて、婚約式続編です。
前編はこちら(婚約式(Meminang)が無事に終了しました(1/2)
これまでの流れはこちら
相手方ファミリーのご来場
事前のアポ通り、午前10時ちょうどに車3台ご到着。
あーちゃんお相手は6人きょうだいの末っ子なので、ご両親の他に、姉数名、その伴侶、子供1名
プラス 交渉人をつとめる、先方の父親の兄弟とその妻、総勢10名がお越しでした。
交渉人? なんだそれ?
迎え撃つ(違う)こちらは子供も含めると18人
・本人を含め我が家 5人
・JBより召喚された義姉義妹など 大人2人子供4人
・普段より行き来のあるポートクラン在住 叔母と娘夫婦+子供2人
・交渉人役を依頼した夫の元部下とその妻
先方がお持ちになった贈り物も会場に並べます。
婚約式とは交渉の場
交渉とはいえ、主要項目に関しては根回し済なのだけどね
挨拶して着席、というか、カーペットやゴザの上に適当に座るだけで、席次も何も決まってませんが、見てるとなんとなく順番が緩やかにあるようですね。ワラワラと着席したら、先方の父親が口を開き、ます。
「本日はこの機会をいただきありがとうございます。こちら、私の兄で(名前も言っていたが、覚えていない(爆)、本日の話し合いの為に立ち会ってもらっています」
あわせて、こちらも交渉人役を夫が紹介し、話合いが始まりました。
まずは、披露宴(Bersanding)の日にち再確認
- 承認事項
- 男性側披露宴日付:9月某日
- 女性側披露宴日付:7月某日
- 挙式(Akad Nikah)日付は後日確定
先方の披露宴は9月、という事は事前に決まっていましたが、具体的な日付をここで提案されました。
先方:こちらの披露宴は9月某日に某所にて行ないたい、と思っています。かねてから伝えているように、息子の姉も同日の披露宴を予定しており、この日とさせていただきたい。よろしいでしょうか?
ウチ側:問題ないと思います。同意します。
ウチ側:こちらの披露宴日程は、7月某日とさせてもらいたい。
また、挙式(Akad Nikah)は、可能であれば同日午前が良いとは思うものの、モスク予約状況などによっては、その日より前の平日に行なう事も含めて検討していることを、了承いただきたい
先方:同意します。
という話を、交渉人同士がしゃべる形で、合間に各々の父親に「という事でよいですね?」と確認を取りながら話が進みました。
必ずしも交渉役を立てなければならない、という事ではないようです。
父親が交渉窓口になる事もあるよ。
本日の最大課題 金の話だ!
日本で結納金を贈るように、こちらも結婚準備資金を新郎側から新婦側へ贈ります。その結納金にあたるものを Duit Hantaran と言います。
duit=お金
hantaran=hantar(贈る)の名詞形
そのまんまですな。Duit hantaran kahwin とも言いますが、本題はその言い方ではなく、金額です。
※以降、便宜上、下のように訳したいと思います。
Duit hantaran を「結納金」
Mas kahwin を 「持参金」
ウチ側交渉人:ご存じのように、あーちゃんは初婚であり、また、現在研修医であり、将来の医者でもあります。Duit hantaran の金額の相場はRM2万くらいですかね。でも、先の通り、将来を嘱望されている女性です。先に「あーちゃん父親(=夫)」と確認したところ、そちらに任せるという事でしたので、RM5万でもいいと思いますよ(笑)
吹っ掛けにいったな
現在の相場をググってみたら、興味深いサイト がありました。
いわく、スランゴー州の場合、RM8千~RM2万であり、また学位によって金額が異なる、と。
これに関しては、番外編でもっと詳しく書きたいと思います。
アンタらイスラムは全人類平等とか謳っているくせに、この差別化はまったく平等じゃないやん! 学位・職業で人間の価値はかわらんだろーーーが!
ウチの夫:金額相場を見聞するところ、最低RM1万、というようになっていると私は思っています。
お金は、結婚後にも色々と物入りであることでしょう。私どもとしてはRM1万、をお願いしたい。ただ、そちらで追加されたければ、それはお任せします。
この内容は事前に家族内で話し合っていたことです。
先方の父親:了解です。お贈りする時期に関してはどうでしょうか?
ウチの夫:お任せします。
時期の確認とは、人によっては式の前、など指定する家庭もあるからです。
披露宴の支払いに使うため、事前に受け取りたい人もいます。また、当日ドドンと小切手を贈り物の盆に乗せる、というのも見受けられるね。
先方が帰った後、ポートクランの叔母が、たったの1万なの??? なんで2万にしなかったの???と騒いでいたな
『職業に貴賎なし』と教える日本の道徳の方が、ソチラのイスラムの平等感よりよっぽど平等だわっ
大金いただいたら披露宴も盛大にしないと恥ずかしいし、そんなことに囚われたくない。
金の話2
これはイスラムとして宗教的に決められているものと思われますが、Mas Kahwin という持参金みたいなもの?を男性側から女性側に贈ることになっています。
州によって異なるのだけど、イスラム局が最低金額を定めている州が多いので、イスラムの決まり事だと理解している
先方交渉人:Mas kahwinに関してはどうでしょう?
ウチの夫:州の規定にのっとっていただければよいと思います。
- 金に関する決定事項
- 結納金(duit hantaran)に関しては最低RM1万
- 持参金(mas kahwin)に関しては、州の宗教局の規定に則りRM300
- 金銭受け渡し時期に関しては、新郎側家族の裁量によるものとする
結構、生々しい話をするんだな、と驚いたけれど、
金の話を複数の関係者の前でするのは、その後のトラブル回避の為に良いのでしょうね
婚約指輪贈呈
金の話に結論が出て、緊張感も緩みました。
先方交渉人:他に合意が必要な事項も特にはありませんか? それでは、この婚約は成立という事でよろしいですね?
一同同意すると、先方の父親がお祈りの文言を唱え、車座になった皆で祈ります。
1日5回の礼拝のことではなく、婚約成立感謝と、今後の婚姻がうまくまとまりますように、というお願いを皆でしているような感じ。マレーの集まりだと、必ずこんなシーンがありますな
さて、次は婚約指輪の贈呈です。
婚約指輪も、本人同士ではなく、将来のお姑さんから嫁の指にはめる、という形で授受が行われます。
家と家とのつながりなんだな。
先方の力作もご覧ください!
フルーツ盛り合わせもいただいたのだけど、画像無し…
この後は、大撮影大会。
そして、和やかな会食後にお開きとなりました。午前10時から午後1時くらいだったかと思います。
番外編のお金の話もぜひお読みください。
人種を問わずマレーシアあるある、の一つだと思うのですが、散会後にポートクランの叔母がノンストップ昔話を開始し、夕方5時までおいででしたな。
マツムラ
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