2022年2月半ばに脳梗塞を発症しました。その時の体験談(後編)です。
尚、現在は順調に回復し、職場にも復帰しております。ご安心を。
ここでは、回復がどのように進んだか、ざっくばらんにまとめました。
回復に向けて
それにしても、昨日まで何の苦労もなくできていたことが、全くできなくなる、という衝撃はなんと表現したらよいものでしょう。
幸運にも軽症であり、リハビリで復活できる、という事は頭では理解していたので、目が覚めている間は、なるべく椅子に座るようにし、手や指の体操、椅子から立って座ってという繰り返し。足首・手首を回すなどをやり、ベッドで横たわる時間も短縮するようにしていました。
入院中
◆左足:ほぼ使い物にならず。ただ、次第に感覚が戻り、ウォーカー(下図)をついて歩けるようになる。
ただ、転ぶと困るようで(看護師さんが)、トイレやシャワーに行くたびに、呼び出して移動を見守ってもらわなきゃなりませんでした。勝手に動くと怒られます。
◆左手:握ったり開いたり。じゃんけんができるようになる。また、左手と右手でじゃんけんし、どちらかが永久に勝ちつづける、といった、左右で異なるの動きもできるようになってくる。個々の指の動きはまだ緩慢で、スマホを左手や左指で操作するのは困難
発症後1週間
色々と動けるようになってきてはいたものの、少し動くととてつもなく疲れ、あまりスマホもいじらずに、動く→寝るの繰り返しでした。
◆左足:転倒を避けるために、ウォーカーを持ち運びながら移動。外出が必要な場合は周囲の牽制の為に杖をついてゆっくり歩く。段差の昇降にふらつきがある。マレーシアの道って、平らじゃないんだもん
また、思っているほど足が持ち上がっていないので、ちょっとしたデコボコに左足がつっかかる。
◆左手:物を持ってもまだ安定しないので、皿洗い等免除される。フォークは持てるがまどろっこしい。包丁で何か切る場合も、おさえる手(=左手)が不安定な為、千切りやリンゴの皮むきなどは困難。
このころに、散髪しました。
ショートって洗髪がラクチン
発症後2週間
◆左足:スクワット等ができるようになる。でも、床に直に座ると立ち上がるのは困難。階段昇降も始める。足首の関節の動きがぎこちない。
◆左手:電子ピアノをいじり始める。5歳の時に弾けていた教本バイエルが、習い始めの子供のように音の強弱にばらつきがあり、弾き間違い多すぎてへこむ。
発症後1ヶ月
◆歩行:遅い。歩幅が無自覚に左右で異なるせいか、気を抜いていると左方面にずれる。段差はふらつきが時々出るが歩行可能
◆手:強度に課題はあるが、普通のものを持ち運ぶことは可能。お盆にモノを乗せて運ぶのは危険。
PCをいじり始めるが、ミスタイプが多すぎる。
オトンは左手など2本しか指を使わない。それでも速い、と威張ってんな
どうやったら2本指でタイプできるのかわからないわ。
発症後2ヶ月 ←イマココ(2022年4月)
◆足:歩行はほぼ問題なし。スピードもそこらのマレー人並みまたはそれより速い(爆)。階段昇降も手すり無しで可能ではあるものの、万が一に備えて手すりそばでいつでも握れる態勢でゆっくり昇り降り。片足立ちなどもできるようになり、下着を立ったまま着脱も可能(なんちゅう話を…)。
ただ、片足ケンケンはまだ左足はムリ。軽いジャンプはできるけれど、多分、縄跳びはムリ。
◆手:日常生活は戻っているが、重いものやお盆に飲み物入れたものを運ぶのは危険。相変わらずミスタイプはあるものの、1か月前よりは減少。動きはスムーズになってきている。
少し離れた場所のものを取る時、腕の動きがUFOキャッチャーのアームみたいな少し不自然な角度になりがちなので、気を付けて修正中。
リハビリ
週に1~2回、院内のリハビリセンターに通っていました。設備はよそを知らないけれど、色々と揃っていました。
自分では気づかないような部分の動きを訓練してくれてありがたく思います。
2か月後健診時に、リハビリに通うのは止めても良いでしょう、と医師に言われた為、自己訓練にチェンジです。
リハビリセンターの皆さんにも感謝しかないです。
スポーツ選手とおぼしき筋骨隆々の若いお兄さんも来ていて、眼福であった❤
2ヶ月後の検査
主治医に診てもらうのも間隔があいてきました。
入院中-毎日
退院後-2週間に1度
1か月後ー間隔が1か月に
2か月後-次は3か月後 ←イマココ
血圧やコレステロール値は、薬のおかげで正常値の範囲内に戻っており、尿検査の結果も正常になっています。
ただ、発症後数日、血糖値が高かったせいか、「糖尿病予備軍」の診断が出され、それはそれでビビッてます。コーヒー紅茶、無糖なのになぁ
糖尿病は過去3か月の検査結果の平均値からジャッジするのですよ。
発症時の血液が安定しておらず、入院中も数日は血糖値が高かったから、その影響もありましょう。でも、気を付けろよな。
来るハリラヤ(断食明け大祭)でもお菓子を見送るわ(決意)
ざっくりとした感想 - 病院編
まず、医療機関に関して言えば、あくまでも私見ではありますが、マレーシアは私立病院であれば、心配なくかかる事ができます。(公立病院は待ち時間が、ね…)
私のかかったKPJ Selangorは、日本人患者はあまりいませんが、外国人は少し見かけました。院内の設備はそろっており、ここ数年かけて改装し、中もきれいになっています。
医師も親身に診てくださるエキスパートで信頼できました。
トイレもきれいでしたよ。(重要)
医師との会話は英語で全く問題ありませんし、看護師も多くはそれなりに英会話可能です。達者な人もいました。
ざっくばらんな感想 - 回復編
老後が早く来た、と感じました。ご年配の方々がなぜゆえもたつくのか、今なら痛いほどわかります。
荷物の最小化・軽化のため、「念のため持っていこう」と以前はほとんど使わないのに持ち運んでいたものを、潔く家に置き去りにしています。目指せミニマリスト。
そして、乳幼児がどのように動作を体得していくか、という追体験もできました。少し前までできなかったことができるようになる過程が、あぁなるほどね、と腹落ちします。
そして、子供が知恵熱を出すのも実感を持って理解できます。新しいものを習得する時のエネルギー、特に、ゼロから1になる時のエネルギー消費量はたいしたもので、回復初期は本当にちょっと動くだけでものすごく疲労しました。
あと、身体で覚えていることは、時間をかければ取り戻すチャンスがある!という事も。案外忘れないものですね。
人間の身体や脳の妙とか偉大さを感じているところです。
そんな事を言ってられるのは、まわりのサポートで幸運にも復旧が高速で進んでいるからだけどな。
改めて、会社のお世話になった方々、医療関係者の方々(読んでないと思うけれど)、お気遣いくださった皆様、家族、親戚に、心よりお礼申し上げます。
ジェットコースターなどに乗れなくなったのが残念だわ
そこか?
マツムラ
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